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  • 執筆者の写真fasorka

ベートーヴェンはかっこいい

更新日:2021年10月10日

2020年の12月は、あのベートーヴェンが生まれて250年の記念月です。


「ジャジャジャ ジャーン!」でおなじみ「運命」とか、年末恒例「第九」、好きだった既婚女性を想って書いたという「エリーゼのために」など、いまだに不動の人気を誇る作曲家ですよね。


30歳くらいで完全に聴力を失ったのに、複雑なオーケストレーションの交響曲をどうやって書いたんだろう?ピアノソナタだって後期は「すごいこと」になっている。しかも、なぜか「調和」を感じるし・・などなど超人的な伝説は、小さな子からティーンエイジャーだって心を掴まれる「THE偉人」であります。個人的には、死後、解剖された時にガンだらけだった、という逸話が印象に残っています。食生活が酷かったのかもしれませんが(独身だったし)、とにかく忍耐力が半端ない人ですね。


ベートーヴェン一族はベルギーの方面から移ってきた歌手を生業とする人たちだったらしい。どうりでDNAに歌心が刻み込まれているのだな。お父さんは酒飲みで、歌わなくなってしまって生活に困り、ルートヴィッヒを「モーツァルトのようにしよう!」と思いついたというのは有名な話。家では父のスパルタ教育を受け、あちこちの演奏会に参加していたとのこと。若くして家族を養わなくてはいけない使命を背負っていたのは気の毒だが、もしかしたらそんな環境も、様々な音楽に触れる体験となり、悪くはなかったかもしれない(と思いたい)。


もともとの才能と環境(?)と涙ぐましい努力で、「楽聖」と呼ばれるまでになった彼。家庭環境がその人に与える影響は大きいから、もし、平和な家庭で育っていたらこうはならなかったかもしれない。傑作もそこまでじゃなかったかもしれないし、宮廷お雇い人という地位から音楽家たちを救い出すこともなかったかも。何といっても「ピアノ」という楽器をどんどん進化させたのは彼だった。要求に応えようと頑張った楽器製造会社も偉かったけれども、今にも壊れそうな華奢な感じの楽器だったピアノが「楽器の王様」にまで進化したのはベートヴェンのおかげだと思う。


先日、久しぶりに「ソナチネアルバム」を色々弾いて楽しんでいた。クーラウ、クレメンティ、ドゥセック、ハイドン、モーツァルト・・軽やかで明るく、和声進行も複雑すぎないそれらは、巨匠たちが王侯貴族を楽しませようと才能を開花させた傑作揃い。なんというか、現代のように深く考えざるを得ないような闇があまりない。ひたすらに青い空を思い、鳥のさえずりや通る風を愛おしむような、音楽。


留学中、先生がよくおっしゃっていた。「散歩をしなさい。そして、鳥の声を聞き、風を感じるのですよ」と。音楽の本質は、カリカリと鍵盤に向かっているだけでは得られない。行き詰ったら、シンプルに立ち返ろう。・・そんなことを思い出したソナチネアルバムでした。


そんな中に、ベートーヴェン若き日の作品も収蔵されています。これまた、すでに傑作!次から次へと様々なアイディアが紡がれて、のちの大作を生み出す萌芽が・・「やっぱりベートーヴェンてすごいよなぁ〜」なんて惚れ惚れしていたのだが、なんと!本人の作品かどうか怪しいのだとか。いやいや、ではあれは一体誰が作ったというの??


ベートーヴェンのフリをした未知の作曲家の影なのか、はたまたやはりベートーヴェン作なのか、どうなのか。コナンくんや松丸先生も頭をひねるであろう謎解き、解明される日はやってくるのか!?(実際は残された資料から研究者が仮説を立て裏付けを行います^^)


作品だけでなく数々の逸話も残されて我々を歓喜へと導いてくれるベートーヴェン。生誕250年の今月、おうち時間を有効活用し、書籍や音源を辿って楽しんでみてはいかがでしょう。


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