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  • 執筆者の写真fasorka

時代

学生時代の出張レッスンから数えると、かれこれ25年以上にはなるピアノ指導ですが、大量の教材の中からどれを選ぶのか、ずっと悩み迷ってあれこれ試してきました。


・・かな〜り遡って40年くらい前は、バイエル上下・全音のハノン・チェルニー100番・ブルクミュラー25番くらいの選択肢で(先生によってはフランス系やアメリカ留学な方だとこのチョイスではないかも)、ソナチネからソナタにいって、バッハは2声のインヴェンションから3声シンフォニア、ひたすらバロックや古典を弾きまくったら、じゃあベートーヴェンのソナタを年代順に・・・でも後期は難しいからシューベルトにでもいきましょうか、みたいな感じでだんだん時代を追ってロマン派に。シューマンやショパンを弾けるようになればそろそろドビュッシー弾いてもいいわよとかで近現代になって、という道を歩むのが一般的だったように思います。


でもこれ、音大に行きたいレヴェルの子には使えても、ほとんどのピアノ愛好家には厳しいチョイスだと感じますよね。はっきりいって単調だし、難しいから凹むし、先生がものすごく叱咤激励しないと進まないし、そうすると子どもにとっては「なんか全然楽しくない」な修行。


「ピアノコンクールでバリバリ演奏するああいう人になりたい!」と本人が本気で思っているのであれば、上のような方法も応援できるかと思います。誰よりも楽々と何でもすぐに弾きこなしてしまうお子さんなら、少しずつ「修行の道」へと誘っていけば良さそう。でも、そういうお子さんでない(ほとんどの人)場合、楽しさが少しもないのなら気の毒なだけでだーれも幸せではない・・・


ピアノを習うのは、なにもコンサートピアニストになるためだけではないので、①楽しさ ②脳への刺激 ③他の人とのコミュニケーション能力 ④努力からの成功体験が自信へとつながる・・といったことをらせんのように繰り返して「人間総合力」みたいなものを高めるのが目的と思うのです。


時代がめまぐるしく変わっているのはピアノの世界も同じ。お母さんたちと「我々の頃はねぇ〜こんな楽しい教材はなかったし」とか「昔の先生はこわかったわよねえ!!ピシってたたかれたり」なんてお話をしますが、まさにそう。もうね、自分のこどもの頃のことは今は「べつ!!」と考えてお子さんのピアノ上達を見守っていきましょう。1時間同じものを弾き続けたり、血が滲むまで指を叩きつけたりはたぶん逆効果。そのうち「効率的な努力」「戦略的な練習」なんてことを子どもたちは言い始めますよ!笑


ほら、むかしはゲームもほとんどなかったし、動画もスマホもなかったし。デジタルネイティブとはよく言ったもので、若い子たちは生まれながらにして脳が違うんですきっと!そしてそれは否定しなくても良い。我々が、さらに昔の人たちのように冷蔵庫の代わりに氷室を利用したり、洗濯機の代わりに洗濯板を使ったりする必要がないのと同じですね。写真を撮られても魂は抜けませんから。笑 うまく新しいものに近づいて、学んで、使えるようになって・・・そうして我々は楽しい老後を迎えることができるのだと思います。「自分の頃はこうだったんだけどなあ」なんて内心思いながらも、若い子たちから教えてもらって、こだわりや頑固さからはかろやかに解放されて、どんな年代の人とも一緒に今を生きる仲間という認識でいたいものですねぇ。いやぁ〜、なんか良いまとめになっちゃったなぁ!(←軽すぎ)


・・なんの話してたんだっけ??


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